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母と益子へ。

気づけば母も還暦の歳となり、母も私も歳を感じる。幼い頃の記憶は、子育てをしていると不意に思い出して幼稚園へ送ってもらう道中、よく母の手を握っていたものだった。乾燥してしわのある手にくっついて、私もこんな手になるのだろうか?と考えていたあの日。

今や、娘に、ママの手かさかさだねえ。なんて言われる毎日。

水戸から益子への道中は約1時間、昔話に花が咲く。何度も聞いたことがある話を、笑いながら今日も聴く。

趣味やセンスみたいなものは母より父の感性のほうから受け継いだかなぁ。と最近よく思う。母に、これどうかな?というと、まず、意見は合わない。そんなことは日常茶飯事。

もえぎ本店は雨巻山の麓に位置し、静かな山上にギャラリーを構える。カフェではスパイス香る、ミルクジンジャーティーを。

母はあまり陶芸に興味はなさそうなものの、ものづくりや多岐にわたり興味津々な私についてまわることには、興味深そう。

益子市内の陶庫さんにて、2ヶ月前に廃ガラスを再生したガラス平岩愛子さんの作品を購入していて、ピッチャーも欲しかったことを思い出す。

母に何か一つ買ってあげるわよ。と言われて、迷わずガラスピッチャーにした。

“買ってあげる。”と言われるとこの人の娘なんだな、と何故か不意に温かな気持ちになる。

そのほかにも2ヶ月前に気になっていたリム皿が一つだけ残っていた。笠間焼、田山陶芸さんのもの。二度見て二度気にいる。これは、運命だ。と一緒に帰路へ。

枚数が欲しかったので工房へ連絡し、残りの在庫を見せてもらうことに。あとは、火祭りまでに仕上げます〜なんていっていて、笠間の火祭りには必ず足を運ぶぞ。と意気込む。

昼はキッチンスロープさん。

益子のランチは色々好きなところがあるけれど、フーネさん、スロープさん、は両親が好きそうでいつもチョイスする。

母は洋食が好き。パスタ、ハンバーグ、オムライス。いつもそんな感じ。

パスタが食べたいと言っていたので、スロープさんはもってこいで。

太麺に濃厚なソース。もちもちの麺は生麺?と思うほど。熱々で、とにかく美味しい。付け合わせのフォカッチャも甘みたっぷりで、ソースを絡めながらぱくり。

母、嬉しそう。

本格派のパスタに舌鼓したランチ。食事をしていても皿の塩梅や、盛り付けに興味が出てくる。北條潤さんの平皿を目にして、チェック。益子で手に入るらしい。でも、人気らしい。4月にもえぎ城内坂店で古典があるらしい…とチェックチェックチェックに余念がない。

3月は、私の誕生日。そして今日は、雛祭り。

父もいず、姉弟もおらず、母と二人きり。いつもの日常だけれど、愛おしい時間に、ありがとうを何度も唱える日になりました。

お母さん、ありがとう。

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