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旅人であること

娘5歳の春。彼女は旅に出た。小さな小さな世界だけれど、旅に出た。

近くのおはぎ屋さんへ。お金の数え方やしくみはきっと全ては理解していないけど、行く先々の人たちが教えてくれる。

行ってきますと飛び出したら、一度も振り返らないのが彼女流。背中は逞しくて、無闇矢鱈に声をかけられない。

自分で買ってきた大好物のきな粉おはぎは格別だね。大人たちに大切に見守られて、お土産も持たされて、帰ってくる。

そして、あくる日は初電車デビュー。説明はあまり聞かず感覚で行動するタイプ。上の空だったのに、番線・時刻・駅の仕組み等なぞなぞクイズをすると、頭には刷り込まれてる不思議。切符を自分のお小遣いで買って隣駅まで。いってきます!と改札を抜けたらまたしても振り返らない。

もちろん、隣駅へいけたもののハプニングはつきもので、失敗もする。

影から見守り声をかけようか、かけまいかと迷ったところで、ここぞというときに見知らぬ人たちが声をかけてくれる。

世間的には、子供が一人で出歩いて危ない!と怒られてしまうらしい年齢だそうで、(全然知らなかった)もしも怒られる時が来たら、その時はその時に…すみません

娘の背中を見る。旅に出ると、年齢関係なく人に助けてもらうことを思い出す。その時、迷惑と捉えるか、助けて頂いたと捉えるかはその人次第。

子育てをしていると完全装備、百点満点を望んでしまって足がすくむときがあるけれど、不完全で足りないことは決して悪いことではなくて、むしろ人間力の芽が生え出てくることを間近で感じて思った日。

もっともっと、今を生きていこう。自分軸で生きていこう。私がいなくなっても、彼女は彼女のペースで逞しく生きていけること、もっと彼女を信頼すること、まわり道しても応援すること、無駄なことなんてないこと。

彼女へ声をかけてくださった、全ての方々に心より感謝申し上げます。

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