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きもちの余白

気温が高いのは10月頃まで、と耳にすることが多い今年。だけれど、朝晩はちゃんとひゃっこい風が吹いて、秋の訪れを少しずつ少しずつ感じさせてくれる。

夏の旅人の中で、同じ子育て中の母さんからこんな質問をもらった。

“子育てや家族のことを除いて、最近おもしろかったことや、夢中になったことはある?”

私の暮らしの中心は、家族がど真ん中であるから、この質問は難しかった。けれど、家族との時間の思い出が真っ先に浮かぶ中でも、自分の隙間時間や、わたしとしてのやりたいことをやる時間が、浮かんだ。この夏は美術館を3つ行けたし、1万歩以上歩いて夏の夜風を全身に浴びながら呑む梯子酒は、たまらなかった。

いつも隣には、主人がいてくれること。くだらない話を聴いてくれることもいつになく、大好きでおもしろい日常だった。

わたしはいつも、わたしのやりたいことを家族や好きな人たちを巻き込んで、笑っていることがなによりも好きだ。

ある家族に、私が受けたこの質問を投げかけると、たこ焼きパーティーが思いのほかすごく楽しかったことと、海でサビキ釣りをしたことが、色濃く残ったことを教えてくれた。食べることと初めてを冒険することは、いつだってドキドキする。

皆の日常の豊かさやユーモアを聴くことは、自分にとってものすごくためになる。わくわくする心、童心に帰ったように、たこ焼きパーティーと海釣りをすぐに実行した。

今日という日を時間に追われず、噛み締めよう。

夕暮れどきからはじまる夜釣り。2日連続で釣竿の先を眺めている。こうして、言葉をつらつらと並べている今も、夜釣りの真っ最中。

フグ、カサゴ、ボラ、セイゴ。

お目当てのアジは、まだピクリともしない。ユーモアという余白が心地よい、秋のはじまり。

地球の中心はいつだって、わたしでいいじゃない。

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