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見送りと故郷、手仕事

長らく続きで旅人を見送ったので、少しぽっかりと心に穴開くも、次の逢える楽しみが人生にあることが嬉しい。

見送りの日の朝、病気や怪我がないように、旅路が豊かであるように。とまじないをかけて朝飯をこさえる。

酵素玄米、自家製干椎茸と梅生姜のおすまし、青菜昆布添え、ズッキーニの塩胡麻和え、自家製醤油麹の鰤照焼、自家製苺酵素ジュース。

想いは溢れど、旅の寄り道に土螢を選んでくれたこと、いつも何時も旅人たちに心から感謝している。ありがとう。

週末がなにかと忙しい続きだったから、隙間を見つけて母の故郷に帰った。この道この景色は、幼かったあの頃の童心へ、還る。

長い道のりに、何かしようと本と裁縫箱と解く浴衣を持って出かけた。チクチク動かす私の手を見て、娘がやりたいと、女浴衣を全部解いてくれる。これは凄い集中力だと驚いた。飽きないこと、飽きないこと。

この手がしわしわになる頃、手を動かすことやひと手間を大切にしていたことを忘れずに、彼女のまわりにいるちいさな子どもたちへ、今日の日があったように、あたたかな眼差しで伝えてくれていたら、わたしは嬉しい。

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